「カンボジアの不動産に興味はあるけれど、外国人が本当に買えるのだろうか?」——海外不動産投資を検討される方にとって、最初に気になるのがこの法律面ではないでしょうか。
結論から言えば、カンボジアでは外国人がコンドミニアムを合法的に所有することができます。ただし、いくつかの条件があります。この記事では、2010年に制定された外国人所有権法とストラタタイトル制度を中心に、外国人がカンボジアで不動産を購入するために知っておくべき法律のポイントをわかりやすく解説します。
カンボジアで外国人は不動産を所有できるのか?結論から
まず結論をお伝えします。
カンボジアでは、外国人が「コンドミニアムの区分所有権」を取得することが法律上認められています。
ただし、土地そのものを外国人が所有することはできません。カンボジア憲法第44条では「カンボジア国籍を有する自然人またはカンボジア法人のみが土地を所有する権利を有する」と明確に定めています。
つまり、「土地はNG、コンドミニアムはOK」というのが基本ルールです。
この仕組みが生まれたのは2010年。カンボジア政府が「外国人所有権法」を制定し、一定の条件のもとで外国人のコンドミニアム所有を合法化しました。この法律により、日本人を含む外国人投資家がカンボジアの不動産市場に参入できるようになったのです。
外国人所有権法(2010年)とストラタタイトル制度を解説
外国人がカンボジアでコンドミニアムを所有する際の法的根拠となるのが、2010年施行の外国人所有権法と、2009年に導入されたストラタタイトル制度です。
ストラタタイトルとは?
ストラタタイトルは、日本でいう「区分所有権」に相当するものです。カンボジアの土地管理・都市計画・建設省が発行する公的な所有権証明書で、国家レベルで認められた権利です。
カンボジアにはいくつかの不動産権利の種類がありますが、外国人が取得できるのはこのストラタタイトルのみです。ハードタイトル(土地の完全所有権)は外国人には認められていません。
ストラタタイトルの重要なポイントは以下のとおりです。
- 国家レベルの法的保護を受けられる(地方レベルのソフトタイトルとは異なる)
- 所有権の売却・譲渡・相続が可能
- 国際基準に準拠した所有権制度で、資産としての信頼性が高い
つまり、ストラタタイトル付きのコンドミニアムであれば、外国人でも安心して購入・保有・売却ができる法的基盤があるということです。
外国人がコンドミニアムを購入する際の5つの条件
外国人所有権法では、コンドミニアム購入にあたっていくつかの条件が定められています。具体的に見ていきましょう。
条件①:建物の2階以上であること
外国人が所有できるのは、建物の地上階(1階)および地下階を除く部分です。つまり、2階以上の住戸が購入対象となります。1階部分はカンボジア国籍者のみが所有可能です。
条件②:建物全体の70%が上限
ひとつの建物で外国人が所有できる面積は、総専有面積の70%までです。残りの30%はカンボジア国民が所有する必要があります。これは外国人個人ではなく、その建物に入居する外国人全員の合算です。
条件③:2010年以降に竣工した建物
外国人が購入できるのは、2010年の法律施行以降に建設されたコンドミニアムに限られます。それ以前の建物は対象外です。
条件④:国境から30km以上離れていること
安全保障上の理由から、カンボジアの国境線から30km以内に位置する物件は、外国人の所有が認められていません。プノンペン市内の物件であれば、この条件は問題ありません。
条件⑤:ストラタタイトル付きの物件であること
すべてのコンドミニアムがストラタタイトルを取得しているわけではありません。購入を検討する際は、その物件が正式にストラタタイトルの発行を受けているか(または受ける予定があるか)を必ず確認してください。
購入の流れと必要な手続き
実際にカンボジアでコンドミニアムを購入する際の一般的な流れをご紹介します。
ステップ1:物件の選定とデベロッパーへの問い合わせ
信頼できるデベロッパーが開発したストラタタイトル対応物件を選びます。現地の市場動向や物件の品質を見極めるためにも、カンボジアに精通した不動産会社を通じて情報を集めることが重要です。
ステップ2:売買契約書(SPA)の締結
物件が決まったら、デベロッパーとの間で売買契約書(Sale-Purchase Agreement)を締結します。契約内容や支払い条件を十分に確認しましょう。
ステップ3:必要書類の準備
パスポート、契約書、その他必要書類を揃えて、土地管理局に登録の申請を行います。
ステップ4:登録税の支払いと所有権の登録
物件価格の4%にあたる登録税を支払い、土地管理・都市計画・建設省にてストラタタイトルの登録を完了します。これで正式に所有権が認められます。

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知っておくべき税金と費用
カンボジアで不動産を購入・保有・売却する際の主な税金について整理します。
購入時
- 登録税: 物件価格の4%
- 印紙税: 契約書に対して発生(少額)
保有時
- 不動産税: 課税評価額が1億リエル(約25,000ドル)を超える物件に対し、年0.1%
売却時
キャピタルゲイン税は売却益の20%ですが、2025年3月現在、個人の不動産売却に対する適用は度々延期されており、現時点では法人の不動産売却のみに適用されています。今後の法改正には注意が必要です。
日本との二重課税について
カンボジアと日本の間には2025年3月時点で租税条約が締結されていません。そのため、カンボジアで課税された所得に対して日本でも課税される二重課税のリスクがあります。ただし、日本の外国税額控除制度を活用することで、一定の範囲で軽減が可能です。詳細は税理士にご相談されることをお勧めします。
よくある質問:土地は買えない?ノミニーは?リスクは?
Q. カンボジア人の名前で買う「ノミニー」は安全ですか?
ノミニー(名義貸し)による不動産購入はカンボジア法上違法であり、強くお勧めしません。仮にトラブルが発生した場合、名義人であるカンボジア人が法的な所有者と見なされ、外国人投資家の権利は保護されません。必ず合法的なストラタタイトルでの購入をお選びください。
Q. 法制度が変わるリスクはありますか?
カンボジアの不動産関連法制は発展途上にあり、今後の法改正の可能性はあります。ただし、2010年の外国人所有権法は海外からの投資を呼び込むために制定されたものであり、カンボジア政府が外国人の所有権を大きく制限する方向に転換する可能性は低いと考えられています。むしろ、2025年にはオンラインでの不動産サービスライセンス管理が導入されるなど、制度の透明性を高める方向に進んでいます。
まとめ:法律を正しく理解すれば、カンボジア不動産投資は安心できる
カンボジアでは、2010年の外国人所有権法とストラタタイトル制度により、外国人がコンドミニアムを合法的に所有できる法的枠組みが整っています。
購入条件を改めて整理すると:
- 2階以上の住戸であること
- 建物全体の70%以内であること
- 2010年以降の竣工物件であること
- ストラタタイトル付きであること
- 国境から30km以上離れていること
これらの条件を満たす物件であれば、日本人投資家も安心して不動産投資を検討できます。
ただし、法制度が発展途上であるカンボジアでは、現地の法律や市場動向に精通したパートナーの存在が不可欠です
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※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の不動産投資を推奨・勧誘するものではありません。不動産投資には、価格変動リスク、為替変動リスク、カントリーリスク、流動性リスク等が伴います。投資のご判断はご自身の責任において行ってください。また、本記事の法律・税制に関する記述は2025年3月時点の情報に基づいています。最新の法令については、専門家にご確認ください。
