タイは東南アジアの不動産投資先として長い歴史を持つ国です。外国人でもコンドミニアム(区分所有権)を購入できる制度が整っており、バンコク・パタヤ・プーケットなど複数のマーケットがあります。本記事ではタイのコンドミニアム投資の基本制度と、外国人が注意すべきポイントを解説します。
タイで外国人が買える物件とは
タイの不動産法制では、外国人が所有できる不動産は明確に限定されています。
購入可能
- コンドミニアム(区分所有権・Freehold):1棟のコンドミニアムにおいて、外国人が保有できる面積は全体の49%以内。この枠内であれば外国人名義で完全所有権(Freehold)を取得できる
購入不可(原則)
- 土地:外国人は土地を所有できない。一戸建てやタウンハウスは土地付きのため、原則として外国人名義での購入は不可
- 一戸建て・タウンハウス:土地の所有権が取得できないため直接購入は不可。ただしリースホールド(30年+更新)やタイ法人名義での間接保有は一部で行われている
実質的に、外国人個人がタイで不動産投資を行う場合、コンドミニアムが唯一の選択肢です。
タイのコンドミニアム市場の概況
タイのコンドミニアム市場は、エリアによって大きく性格が異なります。
バンコク
首都バンコクはタイ最大のコンドミニアム市場です。BTS(高架鉄道)やMRT(地下鉄)の沿線を中心に大量の物件が供給されており、外国人投資家からの人気も高いエリアです。都心部のスクンビット・シーロム地区では平米単価10万〜30万バーツ(約40〜120万円)が相場です。
パタヤ
バンコクから車で約2時間のリゾート都市です。ロシア・中国・欧米からの観光客が多く、短期賃貸(Airbnbなど)需要があります。バンコクと比べて物件価格が大幅に安く、100万バーツ(約400万円)台から購入可能な物件もあります。
プーケット
アンダマン海に面した国際的リゾートアイランドです。高級ヴィラ・リゾートコンドミニアムが中心で、物件価格はバンコク都心部と同等かそれ以上です。長期滞在の欧米人が多く、賃貸需要は安定しています。
購入の流れと必要書類
タイでコンドミニアムを購入する際の一般的な流れは以下の通りです。
1. 物件選定・予約
気に入った物件が見つかったら、予約金(通常5〜10万バーツ)を支払って仮押さえします。この時点ではまだ正式契約ではありません。
2. 売買契約の締結
契約書の確認・署名。新築の場合はデベロッパーとの直接契約、中古の場合は売主との相対契約です。契約時に物件価格の10〜30%を手付金として支払うのが一般的です。
3. 外貨送金証明の取得(重要)
タイでは外国人がコンドミニアムを購入する際、購入代金を海外からタイの銀行口座に送金し、「外貨送金証明書(FET: Foreign Exchange Transaction Form)」を取得する必要があります。この証明書がなければ、外国人名義での所有権登記ができません。
4. 残金支払い・所有権移転
物件の引き渡し時に残金を支払い、土地局(Land Office)で所有権の移転登記を行います。
必要書類
- パスポート(原本)
- 外貨送金証明書(FET)
- 売買契約書
- デベロッパー発行の引き渡し確認書(新築の場合)
税金と維持費
| 費用項目 | 税率・金額 | 備考 |
|---|---|---|
| 移転登記費 | 評価額の2% | 売主・買主で折半が慣例 |
| 印紙税 | 評価額の0.5% | 特定事業税と選択適用 |
| 特定事業税 | 評価額の3.3% | 5年以内の転売時に課税 |
| 源泉徴収税 | 売却益に対し累進課税 | 売却時に天引き |
| 管理費 | 月額30〜80バーツ/㎡ | 共用施設の維持管理 |
| 修繕積立金 | 購入時に一括払い | 物件により異なる |
タイには日本のような固定資産税が事実上ほとんどかかりません(2020年導入の土地建物税は税率が低く、コンドミニアムでは実質的な負担は軽微です)。一方で、5年以内の短期転売には3.3%の特定事業税がかかるため、短期売買を前提とした投資には注意が必要です。
外国人投資家が注意すべきポイント
1. 49%枠の確認
人気物件では外国人枠(49%)がすでに埋まっている場合があります。購入前に必ず残枠を確認してください。枠が埋まっている場合でも、タイ人名義の持分を購入する方法(リースホールド契約)がありますが、所有権とは異なるため慎重な検討が必要です。
2. 外貨送金証明(FET)の取得漏れ
タイ国内での現金払いや暗号資産での支払いでは、FETが取得できず所有権登記ができません。必ず海外送金で購入代金を送り、FETを取得してください。
3. 賃貸運用時の規制
タイでは30日未満の短期賃貸(Airbnbなど)はホテル法に抵触する場合があります。物件やエリアによって規制の運用が異なるため、短期賃貸を前提とした投資計画は事前に法的リスクを確認してください。
4. 為替リスク
タイバーツ建ての投資となるため、円とバーツの為替変動が投資リターンに影響します。購入時と売却時の為替レート差がキャピタルゲインを相殺するケースもあるため、為替ヘッジの手段を検討しておくことを推奨します。
5. 管理会社の選定
日本から遠隔で賃貸管理を行う場合、現地の管理会社の品質が投資成果を左右します。入居者対応・修繕手配・家賃回収の実績がある管理会社を選ぶことが重要です。
まとめ
- タイでは外国人がコンドミニアムの区分所有権(Freehold)を取得できる(1棟の49%以内)
- バンコク・パタヤ・プーケットの3エリアが主な投資先で、それぞれ価格帯と需要構造が異なる
- 外貨送金証明書(FET)の取得が所有権登記の必須条件
- 固定資産税はほぼかからないが、5年以内の転売には特定事業税3.3%が課税される
- 短期賃貸はホテル法の規制対象となる可能性があり、事前確認が必要
東南アジアの不動産投資をもっと知る
あじさいリアルエステートでは現在、カンボジア・プノンペンとベトナム・ドンホイを中心に海外不動産投資をご紹介しています。
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の商品の購入を勧誘・推奨するものではありません。海外不動産投資にはカントリーリスク・為替リスク・法制度リスクがあります。投資判断はご自身の責任で行ってください。あじさいリアルエステートは現在、カンボジア・プノンペンとベトナム・ドンホイの物件をご紹介しております。
