本記事は2026年4月時点の公開情報をもとに作成しています。ビザ・税制・法制度は改正される場合があるため、実際のご判断はベトナム入国管理局・駐日ベトナム大使館・税理士等の専門家にご相談ください。
「日本の寒さが年々こたえる」「リタイア後は温暖な海外でゆったり暮らしたい」。そんな声を50〜60代の経営者から多くお聞きします。マレーシアのMM2Hやタイの年金ビザが選択肢として知られる一方で、近年静かに注目を集めているのがベトナム中部・ドンホイです。ビーチフロントの穏やかな時間、日本からの直行便圏、生活コストの手頃さ──海外セカンドライフ候補として何を確認すべきか、整理してお伝えします。
Quick Answer
ベトナムには2026年時点で正式な「リタイアメントビザ」はありませんが、投資家ビザ(DT)や長期商用ビザ(DN)を活用し、ドンホイは温暖な気候・月15〜35万円の生活費・ビーチフロントの環境で海外セカンドライフを検討できる候補地です。
なぜ今、ベトナム中部・ドンホイがリタイアメント移住の候補地なのか?
ドンホイ(Dong Hoi)はベトナム中部・クアンビン省の省都で、日本ではまだ知名度が高くない街です。しかし世界遺産フォンニャ=ケバン国立公園の玄関口として欧米観光客には広く知られ、国際線が増便傾向にあります。東シナ海に面した白砂のビーチ、人口約16万人のゆったりした街の規模感、ハノイ・ホーチミンのような渋滞や喧噪がないこと──これらは「リタイア後の暮らしやすさ」という観点で意外に重要な条件です。

一方で、ベトナム中部は過去に大型台風の上陸事例があり、海辺物件の立地選びでは標高・排水・建物仕様の確認が欠かせません。また冬季(12〜2月)は気温が15度前後まで下がる日もあり、「常夏」を期待するとギャップがあります。ハノイやホーチミンのように日本食スーパーや日系医療機関が密集していない点も、大都市移住との大きな違いです。「静かさ・自然・海」を重視する方にフィットしやすく、「利便性・多様性」を最優先する方は大都市を検討したほうが合います。
ベトナムの長期滞在ビザ事情は?
結論から申し上げると、ベトナムにはマレーシアのMM2Hやタイの「リタイアメントビザ(Non-Immigrant O-A)」のような、高齢者・年金受給者向けの専用長期ビザは2026年4月時点で公式には存在しません。これはベトナム移住を検討する際に、最初に押さえておきたい重要ポイントです。
現実的に海外セカンドライフで使われる可能性のあるビザ種別としては、公開情報ベースで以下のような区分があります。
- 観光eビザ(最大90日):短期の下見・体験移住向け。延長運用は随時見直しがあるため直近の一次情報確認が必須。
- DN(商用ビザ):ベトナム法人の招聘で取得。長期商用活動を前提とする枠組み。
- DT(投資家ビザ):ベトナム国内への投資金額に応じて滞在期間が段階設定されている区分。
- TT(家族帯同ビザ):有効な労働許可証・一定ビザ保有者の配偶者・親・子が対象となる区分。
- 一時滞在許可(Temporary Residence Card):上記ビザをベースに取得する滞在カード。
いずれも要件・運用は改正が繰り返されているため、出典はベトナム入国管理局(Cuc Quan ly Xuat nhap canh)・駐日ベトナム大使館・JETROの公式発表を直接ご確認ください。具体的条件や最新の受付状況は、必ずベトナム大使館または現地の出入国管理当局にお問い合わせのうえご判断ください。
ドンホイの生活環境はリタイア層に合っている?
治安面では、ドンホイは省都としては比較的落ち着いた街で、夜の繁華街の規模もハノイ・ダナンとは異なり控えめです。日常の体感治安はおおむね良好と報告されていますが、観光エリアでのスリや置き引きといった一般的な注意点は海外共通です。
気候は熱帯モンスーン気候で、5〜8月は気温30度超の日が続き、9〜11月は雨季・台風シーズン、12〜2月は最も涼しく15度前後まで下がる日もあります。「南国=常に暑い」というイメージと違い、冬はうっすら長袖が必要という体感です。
物価水準は大都市ハノイ・ホーチミンより1〜2割安く、地元市場での野菜・魚介は日本の数分の一程度で購入できます。ただし日本食材(味噌・醤油・米・日本酒等)はドンホイ市内で揃う品目が限られ、ハノイまたはダナン(空路約1時間)で調達する駐在員・移住者が多いのが実情です。
医療面は特に慎重な確認が必要です。ドンホイ市内の総合病院は基礎医療に対応しますが、高度医療・日本語対応・国際基準の医療を求める場合は、ハノイの「ベトフランス病院」やダナン市内の国際系クリニックへの移送が前提となります。持病のある方は、かかりつけ医との連携方法・海外旅行傷害保険/海外長期滞在保険の給付条件・緊急搬送サービスの加入を事前整備されることをおすすめします。
なお、ドンホイの生活費を項目別に試算した記事では、日本人夫婦での月間予算の組み立てを詳しく整理しています。
月間生活費の目安と日本との比較は?
ドンホイで日本人夫婦2人が一般的な生活水準で暮らす場合、月間生活費の目安は15〜35万円程度がひとつの参考値となります(2026年4月時点・為替と生活スタイルで変動)。
- 住居(サービスアパート〜コンドミニアム):月5〜15万円
- 食費(自炊+外食ミックス):月3〜7万円
- 水道光熱通信:月1〜2万円
- 医療・保険(海外長期滞在保険):月2〜5万円
- 交通・娯楽・予備費:月3〜6万円
日本で持ち家・年金生活の場合の標準支出と比べると、家計のコア部分を2〜4割程度圧縮できる可能性がある水準です。一方、日本の医療保険・介護保険の扱いは住民票を抜く/残すで大きく変わり、税・社会保険の設計次第で実質可処分所得は逆転することもあります。税制・居住者判定は次章の「税・ビザの個別論点」として税理士・社労士の個別相談が不可欠です。
ドンホイ vs カンボジア・マレーシア・タイ、リタイアメント移住先としてどう違う?
海外セカンドライフ候補としてよく比較される4か国を、ごく大まかな指標で並べると以下のようになります。
| 国 | 長期ビザ | 月間生活費目安 | 日本食 | 医療 |
|---|---|---|---|---|
| ベトナム(ドンホイ) | 投資家ビザ等 | 15〜35万円 | ハノイ・ダナン経由 | 大都市移送前提 |
| マレーシア | MM2H | 20〜40万円 | 豊富 | 国際水準 |
| タイ | 年金ビザ等 | 20〜40万円 | 豊富 | 国際水準 |
| カンボジア | 長期ビザ(EB等) | 15〜30万円 | 中程度 | 大都市移送前提 |
判断軸を整理すると、「専用リタイアメントビザ・日本食・国際水準医療」を最優先するならマレーシア・タイが優位、「ビーチフロント+まだ観光客が集中しない静けさ+不動産の値ごろ感」を優先するならベトナム中部(ドンホイ)・カンボジアが候補に入ります。複数国を見比べる際はカンボジア vs ベトナム 不動産タイプ別の比較記事も判断材料としてご活用ください。
ドンホイでの住まいはどう選べばいい?
ドンホイでリタイア後の住まいを選ぶ場合、主に4パターンが現実的な選択肢となります。
- ローカル賃貸(戸建て・集合住宅):月3〜8万円程度。現地相場に近く割安だが、ベトナム語でのやり取り・契約書チェックが必要。
- サービスアパートメント:月8〜20万円程度。家具・清掃・セキュリティ付き。下見〜半年程度の「体験移住」に向く。
- コンドミニアム購入/賃貸:外国人は一棟あたりの戸数制限(最大30%枠)と50年のリースホールド形式が一般的。将来の売却・相続を想定する場合は購入要件と出口戦略の両方を確認。
- コンドホテル(ホテル運営型レジデンス):運営会社がホテルとして客室運用し、オーナーは一定日数の自己使用と分配収益を受け取る仕組み。「たまに住み、普段は貸す」リタイア層との相性が高い。

特に60代前半で「年に数か月だけ滞在し、それ以外は日本の家族のもとで過ごしたい」というライフスタイルの場合、フルタイム居住型のコンドミニアムより、運営型レジデンスのほうが空室リスク・管理負担を抑えやすい傾向があります。
セカンドライフと投資の両立は可能?
「海外に住居を持つ=居住費が固定費になる」というのが従来の考え方でしたが、コンドホテル型(ホテル運営型レジデンス)の登場により、住まいと投資を一体化する選択肢が広がっています。
具体的には、オーナーが購入した客室を運営会社がホテルの一室として運用し、稼働率に応じた分配金または契約上の利回りをオーナーに支払い、オーナーは年間一定日数(例:30日)を無料自己使用できる、というモデルです。リタイア層にとっては「毎月の住居費ゼロ+滞在しない期間は収益化」という設計が魅力で、家族・友人を呼んで使える点もメリットです。
一方で、運営会社の信用力・運営期間・契約終了時の取り扱い・出口売却の流動性など、不動産単体の購入とは異なる確認項目があります。仕組みの詳細は年30日無料宿泊権付きリゾート投資モデルの解説記事もあわせてご確認ください。
まとめ
- ベトナムには2026年時点で専用のリタイアメントビザはなく、投資家ビザ(DT)・長期商用ビザ(DN)・家族帯同ビザ(TT)が現実解となる。
- ドンホイは人口約16万人の落ち着いた海辺の街で、生活費目安は月15〜35万円程度(2026年4月時点)。
- 日本食・高度医療はハノイ・ダナン経由が前提となるため、「静けさ重視」の方向き。
- マレーシア・タイは専用ビザ・国際医療が強み、ベトナム中部は自然環境と値ごろ感が強み。
- コンドホテル型レジデンスを使えば、住まいと投資を両立するセカンドライフ設計が可能になる。
FAQ(よくある質問)
Q1. ベトナムに「リタイアメントビザ」はありますか?
A. 2026年4月時点で、マレーシアMM2Hやタイの年金ビザに相当する高齢者・年金受給者専用の長期ビザは公式には存在しません。実際には投資家ビザ(DT)・長期商用ビザ(DN)・家族帯同ビザ(TT)などを活用するのが一般的です。具体的な要件は駐日ベトナム大使館・ベトナム入国管理局にご確認ください。
Q2. ドンホイで日本食は手に入りますか?
A. ドンホイ市内で常時入手できる日本食材・日本食レストランは限定的です。米・味噌・醤油・日本酒などはハノイまたはダナン(空路約1時間)で調達される駐在員・移住者が多い状況です。日本食の豊富さを重視される場合はハノイ・ホーチミンを含めた比較検討をおすすめします。
Q3. 高齢者の医療はどうすればよいですか?
A. ドンホイの医療機関は基礎医療に対応しますが、高度医療・日本語対応はハノイ・ダナンの国際医療機関への移送が前提です。持病のある方は、海外長期滞在保険(緊急搬送特約付き)の加入、かかりつけ医との遠隔連携、年1〜2回の日本での検診などを組み合わせる設計が現実的です。
Q4. 日本の年金はベトナムでも受け取れますか?
A. 日本の公的年金は海外居住者でも原則受給可能で、現地金融機関または日本の口座経由で受け取る形が一般的です。ただし、住民票を抜く/残すによる税務上の居住者判定、在外邦人向け届出、租税条約の扱いなどが関わります。税理士・社会保険労務士へ個別にご相談ください。
Q5. セカンドライフと不動産投資を両立できますか?
A. ホテル運営型レジデンス(コンドホテル)を活用することで、「年間一定日数を自己使用+残りは運営会社がホテルとして稼働させ収益分配を受ける」というモデルが可能です。空室管理・賃貸募集の手間をかけずに、住まいと投資を一体化できる点がリタイア層から注目されています。契約条件は物件ごとに異なるため、個別の商品概要書・運営契約書でご確認ください。
ドンホイでのセカンドライフと投資を両立したい方へ
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免責事項: 本記事は2026年4月時点の公開情報に基づく一般的な解説です。ベトナムのビザ制度・税制・不動産関連法令・医療制度は予告なく改正されることがあります。実際の移住・投資・税務判断にあたっては、駐日ベトナム大使館、ベトナム入国管理局、JETRO、税理士・社会保険労務士・弁護士等の専門家へ個別にご相談ください。本記事内の生活費・比較表は一般的な参考値であり、特定の水準や収益・成果を保証するものではありません。